この番組は……最後の最後まで「らき☆すた」です。
というか、まだ最後じゃないというメッセージ付きで。
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最終回の脚本は美水先生。
さすが原作者と言うべきか。かなり細かい良いストーリーとなっていました。
「みんなで作り上げる思い出」ということに対して、かなり真摯に作っていたと感じます。
非常に『日常らしさ』を重視しつつ、OPダンス完成版を披露して、祭りの幕が上がる、というところで終わり。
最終回としてはとてもキレイな終わり方だったと思います。
ぷち感動しちゃいましたよ、ええ。
以上、アニメ番組「らき☆すた」の最終回の感想でした。
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以下、社会現象としての「らき☆すた」最終回について色々と蛇足。
……で。
最後のED曲に「ビューティフルドリーマー」の「愛はブーメラン」を持って来たことで、「これで夢は終わり。現実に帰ろう」というメッセージだと読み取ることも可能ですが……
僕はむしろ逆なのだと……『まだまだ祭りは終わらない』というメッセージだと思いました。
そもそも最後のシーンが「幕が上がる」という所で終わり、この続きを予感させること。
実際問題、PS2のゲームが学園祭を舞台にしたものである以上、公式な『続き』も既に用意されています。
他にも、「らっきー☆ちゃんねる」の未完結具合……これもまだ放送が残っていて、『続き』はまだまだ多く残されています。
それは大人の汚い事情だ、アニメはアニメで完結している、と主張したい人もいるのでしょうが、らきすたは、アニメだけでは完結しない現象です。
「らきすた」を理解するためには、ネット上でのムーヴメントを考慮しないわけには行かないでしょう。
言い方が大仰なのはわかっていますが、「らき☆すた」とは、「マンガ原作のアニメを燃料にした社会現象」だと思っています。
例えば、それが現れているのが最終回のチアーの振り付け。
確かにパティが頑張った、と見ることも出来ますが、かがみに動画を見せているシーンから察すると、むしろ「らき☆すた」のOPを見せていると考えているほうが自然です。
(彼女が踊れるのなら、その場で見せればいいだけですし。)
つまり、それはもってけ!のダンス再現などが流行っているという現状、そしてニコニコやYou Tubeなどにそれらの動画がアップされる現状をメタ的に描いています。
アニメはアニメで完結している、と見るのは拙速でしょう。
むしろ「らきすた」を取り巻く空間が、膨大に広がっていくことを(気持ちはどうあれ)製作側が認めているのだと思います。
わざわざ「燃料投下」じみたネタを多く投下してきたことはおわかりでしょう。
……ということで、「らきすた」という現象/空間に終わりはないと思います。
そして、話をEDに戻します。
アレは「白石みのる」によるパロデイなんですよね。
ギャグ的な文脈にあのEDは存在しています。
つまり、極端な話かもしれませんが
「『現実に帰ろう』というメッセージすらパロディとして内包したユートピア」とでも言いましょうか。
「自分たちはユートピアにいて、いつかは外に出なきゃいけないと思うけれど、でも実は『ユートピアの外に出る』っていう考え方もユートピア的な発想じゃね?」みたいな。
言い換えれば、「社会の厳しさを知れ!!」というメッセージに対して「そのセリフこそ、社会の厳しさを知らないんだよ」という反抗でもあるわけで。
もしくは「現実逃避している間くらい現実逃避させろ」という反抗でしょうか。
エヴァ風に言えば「気持ち悪い? あ、そうですか。どうせ他人から見れば気持ち悪いですよ。でも自分は気持ちがいいんだ。」という感じでしょうか。
開き直りといえば開き直りですし、
もう「『現実』が存在する」という幻想が価値を持ちえなくなった時代である、とも言えます。
先ほども述べたとおり、「らき☆すた」は商業的にまだまだ展開されていきますし、「終わらないヲタ物語の空間」として存続していく、というメッセージではないでしょうか?
……なんか深読みしすぎな感がありますが、ぶっちゃけてまとめるとアレです。
もし、こなたに「現実に帰れ」というメッセージを発したとして。
きっと、彼女は困ると思うんです。
……こなたにとっての「現実」というのは、もはやヲタ的な空間と切り離せない日常にあって、「帰るも何もないじゃん」と反応されることでしょう。
ビューティフルドリーマーをリアルタイムで見ていた第2世代ヲタの方々と比べ、現代の第4世代ヲタには、帰るべき現実もなく、「らきすた」のように現実と虚構が混然となった世界で生活しているのだと思います。
ネットを開けば、虚構だか現実だかわからない空間は無限に広がっているのですし。
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ということで、らきすたの感想を適度に間を飛ばしながら書いてきましたが……我ながらカオスでした。
……というか、後半、ヲタ的な言説を巡る分析っぽくなってきましたし。
しかし、この『祭り』にノレたのは楽しかったです。
半年間お疲れさまでした。
そして……これからもよろしく(!?)
ノレて
よかったですね
深夜アニメが話題になればなるほど寂しくなります。この寂しさは何度経験しても慣れません。まあでもらきすたはこのテのアニメにしては金かけてもらえたほうです。らきすたを岩手と宮城でやったのはハルヒ2期が東北を制覇する布石だと信じています。
5巻おもすれー
……
浮かれてすいませんでした。
それしか言えません。マジで。