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2007年06月20日

ツンデレループ

前回「性的快楽の物語」からの続きです。
ツンデレループという消費形態が、男性のセクシュアリティに合致していく、という話をします。
例によってエロい話なので、嫌な人はダッシュで逃げましょう。


※相変わらず、「男性」と言い切っていますが、男性全部に当てはまりませんし、同性愛者のセクシュアリティも理解できていないで、正確に言えば『多くの異性愛男性』というべきなのですが、一般の人へのわかりやすさを追求して、「男性」と言い切る暴論なのでご注意ください。
あと、論拠も提示していないので、かーなーりー暴論です。


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最初に造語である「ツンデレループ」の定義から。
これは非常に単純に「最初はツンツン、のちにデレデレ、またツンツン、そしてデレデレ、もう一度ツンツン……」と、ツン→デレが繰り返されることを言います。だから言い換えればツンデレツンデレツンループ、という感じでしょうか。


少年マンガにおけるラブコメのツンデレキャラはだいたいコレです。
第一印象が悪く好感度が低く「あんなバカがこの○○(←このクラス、この学園、この寮etc)にいるなんて信じられない!」(第一次ツン期)→ちょっと事件を解決して「……ちょっと、見直したわよ」(第一次デレ期)→オチ的に風呂を覗いたりして「やっぱりバカ!最低!」(第二次ツン期)→また事件を解決して「いい所あるじゃない」(第二次デレ期)

……と、こんな感じで延々とループしていきます。
もちろん、徐々に好感度は上がっていくのですが、重要なポイントとしては、最後まで「恋人」にはならないということです。端から見てどう考えてもカップルだろう、という状態になったとしても、やっぱりカップルではありません。

告白もした、同意の上でキスもした、でも恋人じゃない、となる場合も多くなります。そのため、性行為は許されず、俗に少年誌におけるラブコメは「寸止め」と呼ばれます。



では、なぜこの「寸止め」が維持されるのでしょう。




多くの人が……男性も含めて誤解していると思うのですが、男性のポルノに描かれる性欲は「射精欲求」が中心ではありません。射精におけるファンタジーについては、以前、説明しましたが
まとめれば「男性にとって、射精が快楽ではなくて、それまでの過程=物語が快楽である」ということ。
では、その過程とはどんな過程かと言うと……簡単に言うと『女性が淫らになっていく過程』です。

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ポルノにありがちなパターンは、以下の2種類に集約します。
「こんなに清楚で清純な女性が、性的な行為をしている」
「女性が、こんなに激しく淫らな行為をしている」



上のほうは、いわゆるソフトポルノ・またはハードポルノの軽いものです。典型的なのは、アイドル女優の水着写真やヌード写真などです。
下のほうは、ハードポルノの重いほうで、各種フェティッシュ的・アブノーマル的なプレイ内容になります。
※ハードポルノとソフトポルノの区別は「男性器」が出てくるかどうかです。レズビアンもの、オナニーもののAVは、そういう意味で「ハードポルノ」に分類されません。


この二つの分類、実は連続していて、どちらにしろ「落差」を描いていることがおわかりでしょうか?
ある意味でポルノの目指すのは「こんなに清楚で清純な女性が、こんなに激しく淫らな行為をしている」となります。



だから、AVの最初にはほとんどイメージシーンがついたりインタビューがついたりで、少しでも『清楚さ』を演出してから徐々に『淫ら』になる過程を描きます。いきなりセックスシーンから始まることはほとんどありません。最初からセックスを描いては『落差』が描けないからです。だから構成上、AVは後半に行くほど、過激なシーンが多くなります。
制服モノが多いのも「学生なのに」や「この職業なのに」という『落差』を確保するための行為となります。だから、職業として人気があるのは、真面目だと思われる「医師」「看護師」「教師」「CA(昔語で言えばスチュワーデス)」が多いです。いわゆる水商売的な職業の設定は少なくなります。

また、AV女優を長く続けていく人は、必ず「出し惜しみ」をします。最初のデビュービデオはかなり軽いプレイ、次に出すビデオでは普通のプレイ、続けていくうちにハードなプレイ……というように、長期的に『落差』を確保します。

グラビアアイドルなどもそれは同じで、女優として大勢していかない限り、徐々に露出が増えていき、水着になって、ヌードになって、そしてAVに出たりします。「あのアイドルの水着姿が!」「あのアイドルのヌードが!」と『落差』を煽って商売をします。




さらに続けましょう。
たとえば普通の男性一般誌で恋愛モノのマンガがあったとします。かなり長期的に連載され、ようやく結ばれる、となった時の性描写はかなり淡白です。それはもちろん、雑誌の編集方針による要請もあるのでしょうが、長期間にわたって培った『こんなに清楚な女性』感があるので、淡白でも『落差』が充分に確保できます。

この傾向は、泣きゲーなどと言われるエロゲー郡にも当てはまり、淡白な性描写でも、その事前にきちんとしたストーリーにより『清楚さ』を確保しているので、『落差』が確保できるので充分に興奮できる内容となりえます。

少年誌におけるヌードのありがたみが増す、というのは、ヌードがありえないという大前提がある上での「落差」です。だから、普通にヌードが登場するヤング雑誌でのヌードは話題になることがなく、ほとんどヌードが登場しない少年誌では、エロマンガと比べるとかなり軽い描写でも「こんなにエロい描写が!」と話題になるのです。

(逆を返すと、連載されている雑誌に実感が持てない人はエロさを感じられなかったり。ジャンプにリアリティのある読者は他のジャンプコミックスと比べる落差で、ToLOVEるの異常さがわかるから乳首修正で喜びますが、ジャンプを知らない読者は『普通のエロマンガ』と比べるため、あまり『落差』が生じない場合があります。)

もちろん、意表をつく形で「いきなり淫ら」というパターンもありえますが、その場合でも、後半に行くに従って「さらに乱れる」という状態になっていきます。


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本来なら「こんなに清楚で清純な女性が、こんなに激しく淫らな行為をしている」というポルノを量産したいのでしょうが、この過程を完全に描くことはコスト的に不可能です。

極端に言ってしまえば『処女が激しいセックスをするAV』をコンスタントに製作できるかということです。一度使ってしまった=処女性を失った女優は使えない、となったら、コスト的に無理があります。だから、仕方なく出し惜しみしていくわけです。
逆に、コストの関係がなくなる二次元のエロマンガ・エロゲーの世界では、「処女が激しいセックスをする」というパターンはわりと多く見られたりします。お前無茶だろってくらい、処女性と娼婦性が同居していたりします。
ただし、その処女性は使い捨てにならざるを得なく、エロマンガ・エロゲーに続きモノが少ないのはそういう原因も考えられます。


逆に考えれば、処女性を確保したまま、少しエッチな……「エッチな」と称するのに適した軽い性的行為を繰り返させれば、ある種、永遠に『落差』が楽しめるという理想が実現します。


で、ここでやっと結実します。
それがツンデレループです。
ツンデレにおいて一番おいしいのは「デレかけの時期」と言われますが、つまり「落差」の発生する瞬間が、ある種の興奮をもたらします。
ツンデレループをすれば、この落差が延々と楽しめる、というわけです。
だから、多くの男性のセクシュアリティに、「ツンデレループ」はマッチします。

また、ツンデレループは、一人のキャラクターによるばかりでなく、ある一人のツンツンと、別の一人のデレデレが繰り返されたりします。
こういった変奏も、「ツンツンも後に、このようなデレデレに変質するだろう」というメッセージを暗示します。
そう考えると、恋愛をテーマとした色々な作品で、このツンデレループは発見できます。



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蛇足というか……このツンデレループをはじめとする「落差」による性的興奮は……実は最終的に男性が女性を支配することが前提となっています。

だから「支配できることを前提として、支配できそうで出来ない女性」には興奮するものの、「簡単に支配できる女性」「支配できなさそうな女性」にはあまり興奮しません。
「簡単に支配できる女性」は「安い女」と蔑まれますし、「支配できなさそうな女性」は「お堅い女」と嫌われたりします。

そんな微妙な加減じゃないと興奮できないなんて……大変ですね、男性って。(←男のお前が言うな)



posted by 牧田 翠 at 20:14| Comment(0) | TrackBack(0) | いろいろ長文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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